ヨーグルトの乳酸菌は腸内環境を整え、細胞のがん化を防ぐ

日本人にとってはすっかり日常的な食べ物になったヨーグルト。意外にもその存在は古くからあり、じつは有史以前から作られていた世界最古の食べ物のひとつなのです。
このヨーグルト、ふだん口にしているものは、牛乳を乳酸菌で発酵させたものです。牛乳にはカルシウムをはじめ、多くの栄養素がバランスよく含まれており、がん予防にも有効です。
元気な体をつくるためにもどんどん飲んでもらいたいものです。しかし、牛乳を飲むと、おなかが張ったり、下痢をしたりするので飲めないという人も少なくありません。これは、牛乳に含まれる乳糖が分解されないために起こる現象(乳糖不耐症といいます)なのですが、もともと日本人には乳糖を分解する酵素が少ないため、このような症状が起こる人が多いようです。
同じ乳製品でも、ヨーグルトならば乳糖不耐症の人でもおなかがゴロゴロすることはありません。というのは、ヨーグルトに含まれる乳酸菌は、乳糖を分解する酵素を持っているからです。

乳酸菌の働きはこれだけではありません。がん予防のカギを握るのも、乳酸菌です。人間の腸の中には、約100修理の腸内細菌が存在しています。このなかには、健康維持に役立つ善玉菌と、有害な悪玉菌とがあります。
若いときは善玉菌が多いのですが、加齢とともに悪玉菌の割合が増加します。そしてこれは、成人病を引き起こす原因でもあることがわかってきました。

ところで乳酸菌には、腸の中の善玉菌をふやして悪玉菌を減らす働きがあります。これによって、さまぎまな病気が予防されるという報告もありますが、何より腸そのものへの効果は大きいのです。ふえた善玉菌が腸の働きを整え、便秘や下痢を防ぐのはもちろん、腸の中の有害物質の働きを抑制したり、排泄を促したりして、腸がんができるのを防ぐのです。

ヨーグルトの乳酸菌にはもうひとつ、がんを予防する働きがあることがわかってきました。抗変異原性作用です。細胞のDNAに突然変異を起こさせる物質を「変異原性物質」といいます。変異原性物質は、ときとしてがん細胞をつくります。この変異原性物質の生成や働きを抑える作用を、抗変異原佳作用といいます。乳酸菌の抗変異原性作用に関して、
ヨーグルトについては数多くの研究を行っていますが、次のようなデータも出ています。ヨーグルト100gを毎日食後に3 回、1週間食べてもらい、その人たちの便中に発がん物質がどのくらい残っているか調べました。すると、7~8割の人の便中の発がん物質は減少していました。これは発がん物質の変異原性が、ヨーグルトの乳酸菌によって抑えられたことによります。
その他にもヨーグルトの実験はさまざまな機関や大学などで行われています。

さて、市販のヨーグルトには食べるタイプと飲むタイプがありますが、効果は変わりません。胃酸が薄められている食後に200~400g食べるのが理想的ですが、実際に200~400gはかなりの量になります。
予防効果を高めるには何よりもつづけて食べることです。最後にひとつだけ、つけ加えておきます。ヨーグルトには、糖質が含まれていますので、糖の摂取過剰にならないためにも、無糖のもの、プレーンヨーグルトがおすすめです。

こちらのサイトは便秘解消の面からヨーグルトの効果を紹介しているサイトですが、そのヨーグルトの作用について詳しく書かれています。

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