糖質の摂りすぎが大腸ガンや乳ガンを招いてしまう

ガンを大きく分類すると、「アジア型のガン」と「欧米型のガン」があります。アジア型のガンというのは、細菌やウィルス感染が主な原因となるものです。

胃ガン・肝臓ガン・子宮頸ガンなどがそうです。イヌイットに多いEBウイルス感染による鼻咽頭と唾液腺のガンもその典型です。

ガン治療

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一方、欧米型のガンは、喫煙・食生活などライフスタイルが大きく関わるものです。肺ガン・大腸ガン・乳ガン・前立腺ガン・子宮体ガンなどです。かつて日本で一番多かったガンは、胃ガンです。そのほか子宮頸ガン・肝臓ガンも多かったです。

これらはすべて、感染が主な原因となるアジア型のガンです。胃ガンはヘリコバクター・ピロリという細菌の感染が主な要因ということが判明しました。水道や冷蔵庫の普及など衛生環境の改善で、感染機会が減少して、胃ガンも減少に転じました。

米国では1950年代の初めに、アジア型のガンの代表である胃ガンの死亡率を、欧米型のガンの代表である肺ガンの死亡率が追い越しました。

日本では1990年代初めに、胃ガンの死亡率を肺ガンの死亡率が追い越しました。日本は40年遅れて米国を追いかけているところです。

子宮頸ガンは、ヒトパピローマウィルスの感染、肝臓ガンはC 型肝炎ウィルス・B型肝炎ウィルスの感染が主な要因です。

さて、いよいよ糖質制限食とガンについて考えてみましょう。たちアジア型のガン(細菌やウィルス感染が主な原因)に関しては、糖質制限食でも太刀打ちできません。

このことは、イヌイット社会でEBウィルス感染による鼻咽頭と唾液腺のガンが増えたことを考えてみれば明らかです。

イヌイットがまだスーパー糖質制限食だった1910〜1920年代にも鼻咽頭と唾液腺のガンは増加しています。一方、欧米型(喫煙や食生活が主な原因)のガンについてはどうでしょう?

肺ガンは、タバコという別格の真犯人がいますから、ひとまずおいておくとして、疫学的エビデンス(証拠)が明白な大腸ガンと乳ガンを考えてみます。

一般には脂肪の摂りすぎが大腸ガン・乳ガンのリスクになると、長い間常識として信じられてきました。しかし、米国の大規模介入試験(5万人弱を対象に8年間にわたって追跡)において、「脂質比率20% で強力に脂質制限を指導したグループは、対照グループに比べて大腸ガン・乳ガンのリスクを下げない」ことが『米国医師会雑誌』2006年2月8日号で報告されました。この論文によって、少なくとも大腸ガンと乳ガンに関しては、脂肪摂取は発症リスクにならないことが証明されました。

そして、イヌイットがスーパー糖質制限食だった頃は、大腸ガンや乳ガンははとんどありませんでした。

イヌイットが糖質を摂りはじめて30年後くらいに、それまでほとんどなかった大腸ガンや乳ガンが増えています。これらを合わせて考えれば、脂肪ではなく、糖質の摂りすぎこそが欧米型のガンの大きなリスクだと考えられます。そして糖質制限食なら、その予防ができる可能性が高いのです。