早期がん(胃角部・隆起型のガン(40歳代)
会社の胃がん検診でバリウム検査(「上部消化管X線検査」) を受けたところ、胃の中央部に小さな隆起性病変が見られると指摘があった。大きさは直径- センチ程度という。思い当たる自覚症状はなかったが、会社の健康管理室の医師に相談したところ、検査を受けるよう勧められ紹介状を書いてもらった。翌週専門病院に行き、会社からもらってきた検診の写真を医師に見せたところ、すぐに内視鏡検査(「上部消化管内視鏡検査」) を受けることになった。
検査では、粘膜の表面に赤色の病変が見られたため、組織を採取し病理検査へ回したところ、がん細胞が発見された。
これは、胃の中央(胃角部) に隆起型の早期がんができたという症例です。早期胃がんには、3種類のタイプ
- 胃粘膜の組織がイボのように盛り上がった「隆起型」
- 粘膜組織が少し盛り上がったり陥没したりしている「表面型」
- 粘膜組織が崩れて穴を掘ったような形になる「潰瘍型」
があります。
早期がんの約8割は潰瘍型で、粘膜組織がただれて崩れた形状になるため、しみるような痛みや吐き気が起こることがあります。が、今回のケースのような隆起型、または表面型の場合は自覚症状がほとんど見られません。このため、がん検診を受けていなければ気づかなかった、というケースが多く見られます。