胃がん

進行がんの治療

早期がんとの治療との違い

進行がんの治療法は、早期がんとどのように違うのでしょうか。期がんでは手術後の回復を早めるため、内視鏡的粘膜切除や腹腔鏡下胃切除の方法を取りながら、できるだけ小さな範囲で切除します。

がんを根こそぎ取り除くことができて、さらに再発しなければ治療は終了です。しかし、早期がんでも半分の症例は開腹手術をします。

内視鏡的切除や腹腔鏡下切除ができない場合で、

  1. 胃休部の後壁に病果ができている
  2. 大きさが2cm以上あるため、内視鏡的切除では1度でできない
  3. 形が陥凹型タイプであるため、正常な組織とがん病巣の境目が不鮮明
  4. 組織型が未分化か低分化である

するのか
という場合です。また、また、2群以降のリンパ節を郭清が必要な場合は、開腹手術になります。

進行がんでは、原則的に開腹手術がファーストチョイスになります。すべてのケースにおいて、リンパ節郭清が必要であり、またさらに胃以外の臓器を切除する可能性があるからです。

このほか、手術前後、手術中にがんの深達度を考慮して、他の治療を組み合わせることもあります。これを「合併療法」と呼びます。
たとえば、抗がん剤療法(化学療法ともいう。免疫療法などを組み合わせます。

切除の方法

検査でがん病巣の広がりや転移の有無を確認して、切除範囲を決定します。がんを根こそぎ取り除いて再発を防ぐためには、がん病巣と正常な粘膜との間を3cm離したところで切ります。
がん病巣ができた場所が胃休部などの真ん中にできた場合は胃をまるごと摘出することになります。上部は食道で下部は十二指腸の入り口で切ります。切除方法は、次のように6種類に分けられます。

  1. 噴門側亜全摘
  2. 噴門側切除
  3. 幽門側亜全摘
  4. 幽門側胃切除
  5. 局所切除

昔は「胃を切除する」というと、全摘か、亜全摘かの方法(術式)を選択していましたが、最近は局所切除のように、いろいろ工夫された術式がつくられています。
「くさび状切除」とは、胃の大わんに病巣ができたときに大わん側だけを円錐形に切除する方法です。この方法は、吻合部分が少ないというメリットがあります。吻合部分が多いと、手術に時間がかかったり合併症のリスクが高まったりするからです。

また「だるま落とし切除」は、小わんに病巣ができたときにくさび状に切除するのが難しいため、大わんも小わんも切除してだるま落としのように切り落とすという方法です。

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