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食道がんの治療

「食道がん」のリスクが高いのは、お酒を飲むと「顔が赤くなる」人。このタイプの人が毎日お酒を飲むと、危険性が高まります。よく顔が赤くなる人は肝臓の働きがいいとか都市伝説的な噂もありますがとてもリスクが高いの注意しなければなりません。

食道がんとは

飲酒は食道がんのリスクを高める

「食道」は、のどと胃をつなぐ長さ約25cm、太さ約2~3cm壁の厚さ約4mmの管状の臓器で、口から入った食べ物を胃に送る「通り道」ですっ食道がんは、食道の壁にできるがんで、転移しやすいのが特徴です。
食道がんは、食道の内側の粘膜の表面から外側に広がっていきます。食道は、肺や気管、心臓、大動脈、肝臓、胃など、重要な臓器に囲まれています。
食道がんは、比較的早い時期から周囲のリンパ節に転移しやすく、進行に伴って離れた部位のリンパ節や周囲の臓器などにも転移していきます。例えば、食道がんが気管まで広がれば、ふさ気管が塞がって呼吸が苦しくなり、大動脈まで広がれば、大動脈破裂を起こしたりする危険性もあります。

食道がんの現状

日本で新たに「食道がん」になる人は、l年間におよそ9000人です。食道がんの症状には、主に「しみる」「違和感がある」「飲食物がつかえる」「痛い」「声がかすれる」などがありますが、早期には多くの場合、無症状です。そのため、これまでは発見が遅れて、進行した状態で見つかるというケースが少なくありませんでした。しかし最近は、検査法・治療法が進歩し、早期発見・早期治療によって完治する可能性があるがんになっています。

食道の位置とリンパ節

食道とリンパ節


食道は、肺や気管、心臓、大動脈、肝巌、胃など、重要な臓器に囲まれており、がんが進行するとこれらの臓器へ広がる。食道の壁の中や周囲にはリンパ管が多く、食道周辺のリンパ節や、離れたリンパ節に転移しやすい。

食道の構造

食道の構造


食道の壁は、 層から成っている。食道がんの場合、早期がんは粘膜上皮、粘膜固有層にとどまっており、リンパ節に転移のないもの。

飲酒

食道がんの危険因子として、「男性」「喫煙」「アルコール飲料をたくさんとる人」があげられます。なかでも、最近注目されているのが、「飲酒が食道がん発症のリスクを高めるこことです。特に、お酒を飲んで顔が赤くなる人は「食道がんになりやすい体質」と考えられており、注意が必要です。アルコールは、体内で分解されて「アセトアルデヒド」という発がん性のある物質になります。アセトアルデヒドは最終的に無害な物質(水と二酸化炭素) に分解されて、体外に排出されます。アセトアルデヒドを分解する酵素の活性度は遺伝的に決まっています。
お酒を飲んで顔が赤くなる人は、この酵素の活性が十分ではないため、アセトアルデヒドが分解されず体内にたまりやすいのです。日本人のおよそ45% がこの酵素の活性が十分ではないタイプだといわれています。このタイプの人が飲酒を続けると、特に食道がんのリスクが高まります。また、お酒を飲んでも顔が赤くならない人の場合にも、飲酒によって食道がんのリスクは高まります。

  • お酒を飲むと顔が赤くなるタイプのリスクお酒を飲むと顔が赤くなるタイプのリスクお酒を飲まない場合のリスクを1とした場合、1日平均日本酒1合を飲むと約6倍、2合で約57倍、3合で約77倍と、飲む量が増えると飛躍的にリスクが高くなります。
  • お酒を飲んでも顔が赤くならないタイプのリスク1日平均日本酒1合む場合のリスクを1とした場合、2合を飲むと約6倍、3合で約11倍と、飲む量が増えるほどリスクが高くなります。を飲

お酒を飲んでも顔が赤くならない人のなかには、「若いときには顔が赤くなったが、飲み続けているうちに耐性ができて顔が赤くならなくなった」という人もいます。この場合も、酵素の働きは不十分なままなので、顔が赤くなる人と同様の注意が必要です。

食道がんの検査

検査が進歩し小さなガンも発見しやすくなた

食道がんが疑われるときは、「内視鏡検査」「CT・MRI検査」「超音波内視鏡検査」などを行います。

内視鏡検査

食道の壁面に変化があるかどうかを調べます。これまでの内視鏡検査では、ごく小さな病変は判断が難しかったのですが、最近、「NBI(狭帯域光観察)」という新しい技術が開発され、小さな病変も見つけやすくなってきています
。NBIは、食道の壁面に特殊な光を当て、病変を見やすくする方法です。小さな病変を見つけるために、食道壁に「ヨード液」を散布する方法も行われます。しかし、ヨード液は刺激が強く、検査後に胸やけが続くなど、患者さんに負担があるため、負担が軽いNBIの使用が増加してきています。

CT・MRI検査

リンパ節や周囲の臓器に転移していないかなど、がんの広がりを調べます。

超音波内視鏡検査

内視鏡の先端に超音波の発信装置をつけ、食道の内側から超音波を当てて、がんの深さを調べます。CT・MRI検査や超音波内視鏡検査で、がんの広がりや深さを確認し、治療方針を決めていきます。

食道がんの治療

食道がんの治療法には、内視鏡を用いて、がんとその周辺の組織を切除する「内視鏡治療」、がんを含めて食道を切除する「手術療法」、放射線を照射する「放射線療法」、抗がん剤を用いる「化学療法」などがあります。食道がんの治療では、早期が(粘膜固有層までにとどまっており、リンパ節への転移がない) の場合には内視鏡治療、粘膜固有層、粘膜筋板を越えたがんの場合には手術療法、それ以上広がったがんの場合には化学放射線療法が行われるのが標準的です。

組み合わせて効果をあげる

食道がんの場合には、放射線療法と化学療法(シスプラチン、フルオロウラシル) をそれぞれ単独で行うより、両者を併用する「化学放射線療法」のほうが効果的だということがわかってきています。最近は、さらに複数の治療を上手に組み合わせ、効果をあげようという次のような試みがなされています。
早期がんより少し進行した粘膜筋板前後の深さの場合、治療前にその深さを正しく判定することが困難であるため、内祝鐘で切除して、がんの深さを確認し、粘膜筋板を越えていれば、化学放射線療法を追加します。手術を行う場合も、手術前に化学療法を行う(術前化学療法)ほうが治る可能性が高まることがわかってきました。また、がんが食道の外にまで広がった場合でも、化学放射線療法を行ってがんが縮小すれば、そのあとに手術を行って治る可能性も出てきています。

リスクが高い人は、まずは検査を受け、お酒を控えるのが最大の予防です。