病気の原因から見落とされていたモノ

東洋医学には「食(物)が血となり、血が肉となる」という思想があります。肉とは、筋肉という意味でほなく、脳、心臓、肺、腎臓、胃腸、肝臓、子宮・卵巣、睾丸、筋肉、骨など各部の臓器と考えてよいでしょう。

つまり、食物が胃腸で消化されて、血液の成分となり、血液が各臓器に栄養を送り届けて養っている、という意味です。

よって、血液の成分にアンバランスが生じると、つまり、血液が汚れると、当然、脳、心臓、肺、胃腸などの臓器に不調や病気が生ずる、というものです。

これが、東洋医学では「万病一元、血の汚れから生ずる」といわれるゆえんです。動物性タンパクや脂肪、高炭水化物の食物を摂りすぎると、高脂血症、高血糖などが生じ血液が汚れます。

また、ビタミンやミネラルの不足した精白食物(白米、自パン、白砂糖) や肉類など部か分食を食べすぎると、ビタミンやミネラル欠乏症、つまりビタミンBl不足=脚気、B2不足= 口内炎、C不足= 壊血病(出血、感染)、カルシウム不足= 骨・歯のぜい弱化・イライラ、亜鉛不足=味覚・嗅覚障害・皮ふ病などを起こします。

つまり、不適切な食物がまた、病気をおこすことがよくわかります。現代医学的には、食物とは直接関係なくおこるとされるウィルス性肝炎(B型、C型など)や炎症疾患(肺炎、胆のう炎、リウマチ性関節炎など) やガンなどでも、GOT・GPTなど血液中の酵素類の増加、CRPや腫瘍マーカーなど非常在タンパクの血液中への出現などが見られ、「血液を汚す」という結果を生んでいます。

つまり、「血液の汚れ」は、病気の原因であり結果でもあるわけです。よって、何らかの病気の結果で、血液が汚れても、また、そのためにほかの疾病を引きおこすことは十分に考えられるわけです。

日常会話でも「血色がいい顔」とか「血の気のない顔色」などという表現がよく使われますが、このことは、医療の専門家ではない一般の人々が、皮ふの表面を流れている血液の色合い(量や質)でもって、ある程度、健康状態を読みとっているということを物語っています。

「紅顔の美少年」は「血色のいい、いかにも健康そうな少年」のことですし、反対に、不健康、つまり病気の人は、「青白い顔色、つまり血の気のない顔色」や「どす黒い、土色の顔色」をしていることが多いものです。今でこそ、血液の成分は、血球(赤血球、白血球、血小板)と、血清(水、タンパク、脂肪、糖)より成りたっており、それぞれがどんな働きをするかもわかっています。

ただし、こうした「科学的な成分」などまったくわかっていなかった2000年以上も前の瘀血、つまり、「血の滞り」こそ、万病の原因であると指摘しているのです。

「瘀」は「滞る」という意味です。「瘀血」を現代医学的に解釈すると、静脈血(全身の組織・細胞より、心臓に戻る、老廃物を含んだ血液で、体の表面を流れている)の血行不順ということになります。

川の流れも、よどんで滞ると汚なくなるのと同じように、やがて瘀血は汚血になっていきます。つまり、血液の流れが悪くなると、血液も汚なくなってくるわけです。

現代医学的には、血液中の老廃物で、水にとけるものは腎臓から尿として捨てられるし、揮発するものは肺から呼気として出ていくので、よはどの腎臓病や肺の病気にかかっている人以外は、血液が汚れることほないと考えます。しかし、漢方医学では瘀血=汚血こそ万病の原因と考えるのです。