人参とリンゴでつくった生ジュースだけを1日9杯(朝・昼・夕に3杯ずつ)飲用してもらい、1週間前後過ごしててもらうという人参・リンゴジュースを中心にした自然療法の保養所があります。
その間、1万人以上の方々が、この生活療法をやりにこられ、血液の汚れを排除し、体調を改善されていかれました。今では、大臣や国会議員の先生方から学生さんまで、いろいろな方がやってこられますが、最近では、お医者さんたちも多数この保養所での生活をやりに見えられます。
生理学上の鉄則として「吸収は排泄を阻害する」というのがあります。つまり、あまりつい食べすぎると、胃腸での吸収のほうに、体の力= 生命力が費やされるため、大・小便をはじめ、排泄のほうに力がまわされず、かえって便秘したり、小水の出が悪くなる、その結果、老廃物がたまるという意味です。
逆は真で、「吸収をやめると、排泄が促進する」ということです。つまり、人参・リンゴジュース療法をして、胃腸に負担をかけないと、吐く息が臭くなる、口内や舌に悪臭を放つ老廃物が潜み出てくる、黒い宿便が出る、発疹が出る人がいます(断食疹)、目ヤニ、鼻くそが大量に出てくる…等々、まさに老廃物排泄のオン・パレードとなります。
口の中からは、ビタミン、ミネラルが存分に含まれる新鮮な生ジュースしかとり入れないのですから、こんな臭くて汚ないものは、体内= 血液内にたまっていたというほかないでしょう。
人参・リンゴジュース療法前後に検査をして、赤血球、白血球、血小板などの血球、脂肪、糖、タンパク、酵素(GOT、GPTなど)、老廃物( 尿素チッ素、クレアチニン、尿酸)等々、現代医学的な血液の状態は全く異常のない人にも、同様の老廃物の排泄現象はおこります。
ということは、現代医学の、あの精密な血液検査によってもなお、把握されていない老廃物が、血液内には存在していることを物語っています。
なぜなら、大便以外の、目ヤニ、鼻くそ、小便、汗、吐く息…などほすべて、血液が変化したものなのですから。
漢方医学でいう「万病一元、血の汚れから生ずる」という思想ほ、まさに、正しく的を射たものといえるのです。現代医学的尺度でいう、血球や血清を調べるという検査法がなかった時代の漢方医学では、血液の汚れ=汚血をどのような方法でとらえていたかということが問題ですが、これこそ、顔色をほじめ、皮ふの表面に表われてくるサインで、「瘀血」の状態を読み取っていたのです。
つまり、現代医学でいう皮ふの表面を流れている血管=静脈の変化で、血の汚れ、血液の滞りを診断していたということになります。
こうした外見上の癖血の所見(他覚所見)が存在する人は、自覚症状としては、肩こり、頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、息切れ、神経痛などのほか、女性では生理不順、生理痛などを訴えることが多いのです。
瘀血がある人ほ、当然、脳血管系、心臓循環器系のトラブルがおこりやすいことは、容易に推測できるでしょう。最近、「過労死」「突然死」という言葉をよく耳にしますが、突然死する人の70~80%が脳卒中と心筋梗塞であることがわかっています。
また、ある研究報告によると、過労死や突然死した人のはとんどに、死の1週間前から1ケ月前の間に、肩こり、頭痛、めまい、耳鳴り、動悸、息切れ、赤ら顔、鼻血、痔出血、など瘀血から来る、いくつかの自覚・他覚症状が見られたといいます。
瘀血は、脳・循環器系の病気以外にも、炎症、腫瘍(ガン)、免疫の異常( アレルギー、自己免疫疾患他)、退行性病変(結石、糖尿病他) など、すべての疾病の原因にもなっているのです。