発ガンにまで至ると

私たちの体は約60 兆個の細胞からなっていますが、おのおのの細胞の核の染色体の中には約10万種類もの遺伝子が存在しています。そのうちの60種類くらいが、オンコジン(発ガン遺伝子)で、同数のガン抑制遺伝子も含まれています。

さて、発ガンに至るまでには2つの段階があります。イニシエーター(発ガン仕掛人)が、ガン遺伝子(DNA)に傷をつけ(酸化反応)、ガン遺伝子をめざめさせる、次にプロモーター(発ガン促進人) が細胞膜を刺激すると、細胞の秩序が乱れ、異常な分裂や増殖を始めるきっかけをつくり、細胞がガン化していく、というものです。

ガン細胞は100万個で1mg、1億個でも米粒大しかないので、医学的に発見もできないし、何の症状もないとうのががふつうです。

ガン細胞10億個で「早期ガン」と診断がつき、100億個でやっとピソボン玉大になるのです。よって、ガンほ「超慢性病」であることがわかりますし、ガンという病気の経過の最後の最後まで症状が出てこないのですから、ある面、風邪より軽い病気なのかもしれません。

また、正常細胞がガン化すると一方通行で、どんどん悪くなるというのが医学の定説でしたが、免疫力が冗進する(自然医学的には血液の汚れが取れる) とガン細胞が正常化する脱ガン現象もおこるということがわかってきました。

ここで、ガンの分類について簡単に整理しておきます。臨床医(内科や外科などの医師)が、触診や視診、エコーやX線などの検査で、腫瘍がガン(悪性)なのか良性腫瘍なのかを確実に診断できないとき、細胞の表を採取(生検)して、病理医による顕微鏡的診断をあおぎことになります。これを生検による細胞診といいます。これは

  • クラスⅠ異常なし
  • クラスⅡ異常なし
  • クラスⅢ疑陽性(正常とはいえないがガンとの確診はつかない)
  • クラスⅣ陽性(確実にガンである。ガン細胞少数)
  • クラスⅤ陽性(確実にガンである。ガン細胞が多数)

の5段階に分けられます。
また、臨床上のガンの分類としては、次のようなものがあります。

ガンの進行状況による分類

  • 0期(初期ガン)…無症状
  • 1期(早期ガン)…特有の症状はないが、後でふり返れば「おかしかった」程度の症状
  • 2期リンパ節に転移
  • 3期(進行ガン)… 痛み、しこり、出血(血疾、吐血、下血、血尿など)等が出現
  • 4期( 末期ガン)… 原発部位の症状だけでなく、転移部位の症状も出現するし、全身状態も悪化して、体重減少、貧血、むくみなどが出現

国際臨床分類のTNM 分類

  • T(Tumor=腫瘍)原発ガンの大きさ、広がり、深さをT1~T4まで表す
  • N(Node=結節)周囲のリンパ節への転移の程度をN0~N3 までで表す
  • M(Metastasis=転移)転移なし(M0)と転移あり(M1)で表す