延命治療

延命治療について、どのように考えればよいのかがわかりません。

がんの末期を迎えた方の延命治療は、胃がんだからということはなく、どの臓器のがんでも大きな違いはありません。延命治療は死期がせまってきて、意識がなくなったあとに人工呼吸器やペースメーカーなどを用いることですが、一般的にはほとんどおこなわれていません。

患者さんの容態が急変して、どうしても家族の到着を待たねばならないなど、特殊な事情がない限り、最期を静かに看取ることが多いようです。

最近はがんの告知を受ける方が増えているということもあり、患者さんご本人が延命的処置を一切拒否されることが多く見られます。しかし、最期の時点で、患者さんの苦痛が大きければ延命治療で症状をやわらげることもあります。

たとえば末期症状では、がんによる腹膜炎のため腹水が大量にたまって腹部が張ったり苦しかったり、尿管にがんが入り込んだことから尿が出なかったたいしようりようほうりするからです。このような苦痛を取り除く治療(対症療法)も、.呼吸器やペースメーカーを用いた処置とは異なりますが、やはり延命治療のひとつといえるでしょう。

がんの再発した部位によって症状は異なりますが、胃がんはほかの臓器のがんに比べて、比較的穏やかな末期を過ごすことができます。

たとえば、食道がんや肺がんは気管やのどにがんができるため、呼吸をしたくてもできないと苦しまれることが多く見られます。延命治療をするかどうかは、ご家族と相談して決定します。ご家族もただ「延命」を望まれることはなく、患者さんの苦痛を取り除くためにとお考えになられるようです。