病院の治療でも使われる
現在、ガン患者の急増に伴い世界の医療の現場で、ガンに対する代替療法が研究されています。
ガンの代替療法とは、一般的には、手術や抗ガン剤といった標準的な治療法以外の治療法をまとめた総称です。
西泌控医学の「3大療法」といわれる外科手術や抗ガン剤の投与、放射線治療にも限界があります。
特にステージⅥ、つまり再発や転移したガンの症状が進むと、より強い抗ガン剤を処方しなければなりません。強い抗ガン剤や放射線治療は、その多くが副作用を伴います。患者さんは、ガンそのものだけでなく、治療の副作用によっても大きな苦しみを味わうのです。その昔しみを和らげ、患者さんのQOL(生活の質)を高める方法がないものかと、考えてきました。
QOLを高めるとは、「満足のいく人生を送る」こと。つまり、ガンと共存しながらも、健康な人とできる限り変わらずに楽しく、夢のある毎日を過ごせないものかと考えていました。
あるガン患者さんが飲んでいたのが、「紫イぺ」のエキス(成分を濃縮したもの) でした。紫イぺとは、南米ブラジルのアマゾン川流域の熱帯雨林に自生する広葉樹の一種です。
大きなものは、高さ50m、幹の直径は2mに達します。ブラジルの先住民たちの問では、万病の発としてその樹皮が重用され、「神からの恵みの木」と呼ばれてきました。
紫イぺの内部樹皮には、ラバコールという成分が含まれています。
過去に、国内外の複数の研究機問で動物実験が行われ、ラバコールに抗ガン作用のあることが確認されています。
臨床試験での生存率
1998年から2003 年までの5年問で、約200人のガンの患者さんの治療の一助に、紫イぺのエキスを取り入れた臨床試験があります。
ほとんどがステージⅣ、つまり再発や転移したガンのケースです。もちろん、可能な限り手術も行い、抗ガン剤の投与や放射線治療も行いました。
また、乳ガンの患者さんには、ホルモン療法も併用。ただし抗ガン剤は、通常の4分の1から5分の1という低用量にしました。
抗ガン剤は、ガン細胞を攻撃しますが、同時に副作用の強い薬です。体内で免疫(病気から体を守るしくみ)を担うリンパ球の数も減らしてしまうので、さまざまな副作用を引き起こします。
しかし、低用量の抗ガン剤は、ガンをやっつけるというよりも、ガンを大きくしないというものです。低用量にすると、通常よりも作用は低くなりますが、免疫作用は比較的安定し、副作用も軽くてすみます。
一方、紫イぺのエキスは、1日900㌘別の投与を続けました。それらの約200人の症例の中から胃ガン、大腸ガン、乳ガンの計120人分の5年生存率(5年後に生存している割合) をまとめ、2003年に第41回日本がん治療学会で発表されています。
つまり、紫イペをとった人と、とらなかった人の生存率の比較がなされていません。他の病院などとの比較では、高い数値であることはいえますが、結果の優位性が裏付けられたことにはならないのです。
動物実験では、まずは培養液(培養とは、育てて増やすこと) に漬けたラットの肝細胞に、紫イぺのエキスを加えました。すると、通常なら2、3日で腐敗する細胞が、1過問経過しても生きています。そこで、ガン細胞の中によく見られる一酸化窒素合成酵素(1NOS)を、ラットの肝細胞に誘導します。そこに紫イぺのエキスを加えて、一酸化窒素(NO) が生成(新たに作り出すこと) される状況を観察しました。一酸化窒素が、ガン細胞の増殖を加速させることは、1990年代後半に、米国立痛研究所の研究結果として発表されています。
実験の結果、紫イぺは、一酸化窒素の生成を阻害することがわかりました。紫イぺのエキスの濃度を変えての実験では、一酸化窒素の生成を、最大90% 以上も阻害するという結果が出ています。動物実験によって、紫イぺがガン細胞の増加胆を抑えることが明らかとなりました。
しかし、紫イぺはそれとともに、患者さんに対してさらに大きな働きも及ぼすと考えています。
前述したとおり、通常の抗ガン剤治療に紫イぺを併用すると、抗ガン剤治療の副作用が軽くなります。
また、これまでの投与の結果を患者さんに説明すると、希望が高まります。それによって元気が出て食欲がわき、QOLが高まるのです。
それまでの落胆が一転してプラス思考に変わり、もともと人に備わっている白H然治癒力(健康な状態を取り戻そうとする体の働き)が顕著に高まるのです。
そして、これこそが、代替療法の大きな作用だといえます。喜怒哀楽の感情を持つ人問だからこそ、紫イぺはさらに大きなプラスの作用を与えてくれるのです。
転移したがんが紫イペで改善し7年間再発していない
これまで、ステージⅣの再発や転移したガンの患者さんに、通常の治療法との併用で紫イぺのエキス(成分を濃縮したもの)をすすめてきました。
ガンが進行し、再発や転移した患者さんは、精神的な落ち込みが激しいものです。そのうえ、抗ガン剤などによる治療は、肉体的な負担が大きく、重い副作用も伴います。そうした患者さんの心と体の苦しみを和らげ、夢と希望を与えられるのが、ガンの代替療法の役割だと思っています。
紫イぺによって元気を取り戻し、満足な生き方ができるようになった患者さんを多数見てきました。
大阪府に住むAさん(仮名・64歳)は、1993年に大腸ガンの手術を受けましたが、6年後の1999年、43歳のときに腰椎(腰の部分の背骨)への転移が見られました。そのとき診てもらっていた病院で放射線治療を行い、幸い完治しましたが、それから数年後の2009年には、ガンが肝臓に転移していました。Aさんは、当時、53歳の働き盛りでした。さすがにガンが転移したショックは大きく、ずいぶん落胆していました。すぐに手術を行い、肝臓の半分を切除しました。
そして抗ガン剤に加え、紫イぺのエキスを投与しはじめたのです。投与を決めるに当たって、Aさんに紫イぺの説明を行い、話を進めたところ、Aさんの顔に希望の光が差してきたのが分かりました。
手術をくり返し、つらい治療を経験してきたAさんの心に、紫イぺは元気を与えてくれたのです。抗ガン剤を低用量にし、紫イぺのエキスの投与を続けた結果、治療の副作用は大変軽いまま経過しました。Aさんは元気に仕事を続け、その後はふつうの生活を送る毎日でした。
ところが3年半後、今度は新たな大腸ガンが別の部位に発生しました。早速、手術を行って切除し、抗ガン剤と紫イぺの投与を続けました。その後7年以上が経過しますが、Aさんはガンの再発も転移もなく、元気に過ごしています。今年6月に撮ったCT写真では、腰椎の骨が融解した状態が少し見えます。通常は広がっていくものなのに、今でも大きくならず、そのまです。
紫イぺは万能薬ではないので、どの人にも優れた働きを発揮するわけではありません。紫イぺをとっても、思うような働きが得られないこともあるでしょう。
しかし、紫イぺには人間が本来持っている自然治癒力を高める作用があるのは確かです。ガンだけではなくて、糖尿病をはじめとする生活習慣病などにも試してみるのもおすすめです。
コメント
[…] 南米の薬木「紫イペ」は病院でも使われる […]