動物性脂肪の過剰摂取に注意(牛乳、乳製品など)

動物性脂肪の多い食品という点では、肉類以上に乳製品の習慣的な摂取に注意が必要です。

乳脂肪分を固めたバターは脂質が多いのは当然ですが、チーズでも100g中30g前後、生クリーム(動物性) は約45g、アイスクリームは約15g、普通の牛乳でも3〜5 gの動物性脂肪を含んでいます。

こうした乳製品は、動物性脂肪が多いという認識があまりないまま、健康によいと思いつい毎日摂取することを習慣にしてしまう方が多く、注意が必要です。特にチーズは発酵食品ということで体にいイメージが強く日常的に食べ過ぎている人が多いのです。

厚生労働省では、日本人の脂質摂取量は食事からとる総エネルギー量の20~25% を適正範囲としています。ところが、20歳以上で脂質摂取の割合が30% を超えている人、つまり脂質をとり過ぎている人は男性で20.7% 、女性では28.5% に上ります。

女性のほうが脂肪過多の人が多いのは、これらの乳製品の摂取が関係しているのではないかと推測します。

肉類の脂肪でも乳製品の脂肪でも、動物性の脂肪摂取が増えれば、がんや生活習慣病のリスクは上がるのは先にも述べたとおりです。また戦後、日本人が日常的に牛乳やヨーグルトなど動物性脂肪を多量に含む食品を摂取するようになって増えたと推察される代表的ながんには、乳がん、前立腺がんや大腸がんが挙げられます。
自宅で行える大腸ガン検査キットはこちらです。

まだ議論の段階ですが、海外でも牛乳摂取と乳がん発症に関連があるとする研究報告は少なくありません。
最近の牛乳生産では、妊娠中の牛から搾乳するのが通例になっており、牛乳をはじめとした乳製品には多量の女性ホルモンが含まれています。こうした女性ホルモンなどの物質が、がん発生に関与している可能性があるといわれています。

これらを考え合わせると、がん予防という点では、幼い頃の習慣から牛乳を水がわりに飲む、クリームがたくさん入ったスイーツを常食する、という生活はやはりおすすめできません。

マスコミやテレビなどがこぞって、「ヨーグルトは体によい」と言っていますが、ヨーグルトが体によいのではなく、ヨーグルトに含まれるビフィズス菌などの乳酸菌が体によいのです。大まかにいうと、ヨーグルト=動物性脂肪十乳酸菌ですので、乳酸菌は体にとても大切で重要な役割を果たし必要不可欠ですが、牛乳からつくられた動物性脂肪はむしろ体に害となる可能性があるため注意が必要です。

また、日本人は牛乳を飲むとお腹がゴロゴロしたり、下痢をしたりする人が多いとされており、これは乳糖不耐症が原因といわれ、日本人の80% 以上の方がこれに該当するといわれています。
乳糖不耐症は、小腸で乳糖分解酵素が十分につくられなくなるために、牛乳などに含まれる乳糖を消化できないことが原因で起こります。

人間などの哺乳類は、生まれてから一定の期間は母親の母乳を飲んで育ちますが、ある程度成長してくると母乳を飲まなくなることから、母乳に含まれる乳糖を分解する乳糖分解酵素が必要なくなり、つくらなくなってしまいます。つまり、人間は成長すると、乳糖が含まれる母乳や牛乳が飲めなくなる乳糖不耐症になるのが当たり前なのです。

よく便秘の人が「牛乳を飲むとお通じが快調になり、排便がスムーズになる」と言っているのを耳にしますが、実はこれは乳糖不耐症のためにお腹をこわし、そして下痢になることにより便秘の人は逆にちょうどい排便状態になることに起因しています。

乳製品の栄養的な利点は、カルシウムの含有量が多く、体内への吸収率も高いことといわれていますが、牛乳などを摂取するとむしろ骨粗寮症が増加するという報告もあります。それは、ホメオスクーシスという体を一定に保とうとする働き(恒常性)が人間には備わっていることと深く関係しています。

牛乳に含まれるカルシウムの体内への吸収率が高いことにより、急激に吸収された牛乳などからのカルシウムをホメオスターシスの働きにより尿から体外に出そうとし、その際に元来ある骨のカルシウムも一緒に尿中に連れ出そうとする働きが強くなることが関係しているといわれています。

骨がもろくなる骨粗寮症の予防に、乳製品をとるようにすすめられることも多いようですが、カルシウム摂取のために乳製品をとりたいという人は、むしろ小魚などの体内に定着する率の高い食品を多く摂取するように心がけるほうがよいと思われます。
女性に骨粗鬆症が多いのは、閉経後です。注意しましょう。