胃がんの手術で自己輸血は可能か?

まず、自己輸血についてです。手術で大量出血が予想される場合に、患者さん自身から事前に採血し保存しておくことです。他人の血液による輸血は、エイズや肝炎などの感染症、アレルギー反応など、いろいろな合併症を起こす可能性があるため、数年前から積極的にこの方法を取り入れるようになりました。

採血前には、骨髄を刺激して造血作用を高めるための点滴をします。心臓手術、整形外科の手術など、手術前の急症状がない方が対象です。消化器系のがん患者さんの多くは臓器からの出血による症状、たとえば貧血症状、下血などがあるため、自己血輸血の対象になることはあまりありません。

また、胃がん手術の場合、通常は輸血の必要はありません。しかし手術症例の10%以下ではありますが、輸血をおこなうことがあります。進行がんで肝臓を切除するような拡大手術をする場合などには輸血が必要になることも考えられます。