オプティマルヘルス

ガンになったとき、真っ先に取り組むのが、手術、抗ガン剤、放射線の3大治療です。しかし、薬による副作用、ガンの転移や再発など、治療の先に待ち構えるのはつらい闘病生活です。
3大治療以外の治療方法も選択肢に入れていくべきでしょう。

オプティマルヘルスとは、単に「病気でない」というだけではなく、より健康度の高い状態のことをいいます。「その人その人にとって、最高で最適な健康状態」といった意味です。

健康度は、日々の過ごし方や、食事、睡眠、運動などで変わってきます。そして、健康度を高めるために何がよいのか、どのくらい行うのが適当かは、人によって異なります。万人に等しく当てはまる答えは、残念ながらありません。ですから、各人が自分の体と相談しながら、自分にとって何がよいのかを考え、みずから選ぶことが大切です。

そうはいっても、ベースとなる知識や情報がなければ、賢く選ぶことは難しいでしょう。そこで今回は、オプティマルヘルスを目指すための、具体的な行動について紹介します。

オプティマルヘルスを実現するために、心がけるべきこと。それは、これまでガン患者さんに提唱してきた、「セルフ治療」と共通しています。

なぜなら、ガンを治すこと=健康度を上げること、つまりオプティマルヘルスを実現することだからです。セルフ治療を実践して、ガンを克服した人たちや、自然と体が喜ぶ生き方をして元気で長生きのお年寄り、また、養生法を心得ている中医師(中国の伝統医学を実践する中国の医師)などは、オプティマルヘルスの達人といえます。

つまり、彼らをお手本にすれば、オプティマルヘルスが実現できるというわけです。そこには、いくつかの共通項が見受けられます。第1に、24時間、規則正しいリズムで生活すること。元気で長生きのお年寄りを見ると、皆さん、朝はスッキリと目覚め、日中は適度に体を動かし、一夜はしっかり睡眠をとっています。このような人たちは、頭の回転もよく、シャキッとしています。生活リズムをきちんとつくることが、健康度の高さにつながることを、身をもって証明しているかのようです。

あまりにも長く壊すぎたり、昼夜逆転型の生活をしたりというのは、やはり好ましくないと思われます。しかし、睡眠時問の長さや、何時に就寝して何時に起床するのがいいといったことは、一概にはいえません。自分に合った睡眠パターンを見つけ、それを乱さないことを重視しましょう。

健康度を上げるサブリのとり方を伝授

自分にストレスをかけすぎないこと。日本人は、国民性なのか、義理・忍耐・責任・借用などを重視する傾向があります。自分の意思とは裏腹に、つい無理をしてしまいがちです。

若いときはそれでもなんとかなりますが、40歳を過ぎたら、ストレスによる精神的負担が、体に現れやすくなります。ストレスを感じておなかや頭が痛くなるのは、体が出す危険信号です。周りの目を気にして我慢するよりも、「いい人」をやめて好きなように生きる方向に、路線転換していったほうがよいでしょう。

もちろん、社会生活を送る以上、わがままばかりではいけません。しかし、健康度の高い人は、避けられるストレスは避け、上手にバランスを取っているものです。第3に、必要な栄養を、きちんととること。栄養とは、カロリーのことではありません。

現代はむしろ、カロリー過多で栄養は不足、状態が蔓延しています。特にとるべき栄養は、代謝に必要な「ビタミン・ミネラル類」、動脈硬化やガン・老化予防に役立つ「オメガ3脂肪酸」、腸内環境を整え免疫力を高める「プロパイオテイクス(善玉菌)」の3つ。

野菜、果物、魚介類、発酵食品を、意識して食べるようにしましょう。とはいえ、たいていの人は、40歳を過ぎたころから食が細くなり、どうしても栄養不足に陥ってしまいます。3つの栄養を、サプリメントで補うことも有効です。

それ以外の健康食品は、うまく選択すれば活用できるものもあるのかもしれませんが、特別お勧めはしていません。できれば、サプリメントに頼るより、食事でとるほうがベターです。ファストフードやインスタント食品、甘いお菓子は、当然、体によくありません。しかし、絶対禁止にしてストレスがたまるくらいなら、たまにはいいと思います。どうせ食べるなら、罪悪感は持たないこと。「ご褒美」と思って、楽しく食べましょう。

そもそも、「体によくない」とわかっていれば、毎日食べるような暴挙には出ないはず。健康度を上げるには、知識を持っていることが、重要なのです。