さて、血液を汚す食品というのは簡単にいえば「生命」のない食物、つまり、タンパク質、脂肪、糖、ビタミン、ネラルなどの栄養素の過不足がある食物といえます。
すべての栄養素がバランスよく含まれているものは、「生命」です。体内の栄養素(構成要素)のうちビタミンB1がごくわずかに不足しただけで、浮腫、強度の疲労、動悸などの症状を表わす脚気になるし、ビタミンCが不足しただけで、壊血病(出血、感染症、骨の脆弱化)がおこります。
科学が発見していない栄養素や体の構成成分ほまだ無数にあると思われますが、このようにたったひとつの成分の不足で、「病気」がおこるわけです。
一般には、「ご飯(白米=炭水化物)に、肉や魚や大豆( タンパク)、天ぶらやバター(脂肪)、それに野菜やくだもの(ビタミン、ミネラル) などなるべく多くの食品を食べ、栄養のバランスをとること」などという指導がなされていますが、そう簡単に栄養のバラソスなどはとれるものではないのです。
「栄養のバランスをとる」ということは「生命をつくり出す」ということと同じ意味であるからです。逆に栄養のバランスをとり、病気知らずの健康体をつくるには、生命のある食物を食べればよいということになります。
活き作りの魚がおいしいのも、もぎたてのくだものがおいしいのも、生命があるからなのです。冷凍した魚と活き作りの魚とでは、分析した成分はほとんど変わらないでしょう。しかし、それを食べる人間の本能ほ、「うまい」とか「うまくない」とかを判断しているわけです。
そこにこそ、科学も人知もおよばない、健康や生命にとってかけがえのない大切なものが、かくされていると考えてよいのです。イギリスのガン学者であるドル博士とベト博士は、1981年に、ガンの原因の35% が「食物」であり、30 %は「喫煙」であることを種々のデータから次のように割り出しています。
- 食生活 35%
- タバコ 30%
- 感染症 10%
- 性習慣 7%
- 職業 4%
- アルコール 4%
- 地理的要因 4%
- 公害汚染 2%
- 薬剤 1%
- 食品添加物 1%未満
- 化学合成品 1%以下
これらは、本書で主張している血液を汚す物質と考えてよいのですが、これまでご説明してこなかったものについて若干の説明を加えてみます。
3位の感染症は、たとえば、C型肝炎やB型肝炎のウイルスに羅患して慢性肝炎が長く続いている人は、肝臓ガンになりやすい、というようなことです。