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牛乳の免疫力アップ効果がガンに対抗

がんにならない健康な体をつくるには、バランスのよい食事をとることが基本です。この意味で、牛乳にはビタミンCと食物繊維を除くほかの栄養素が、非常にバランスよく含まれます。
特に日本人には足りないといわれるカルシウムなども豊富に含まれ、体にとっては理想的な食品です。
東京都の研究所が高齢者を対象にして行った調査でも、牛乳を毎日飲んでいる人のほうが、飲んでいない人よりも長生きしていることが確認されています。
また、国立がんセンターの調査報告でも、牛乳を飲んでいる人にはがんが少ないということが明らかになっています。
牛乳がなぜ、がん予防になるのでしょうか。まず考えられるのは、牛乳に含まれるタンパク質や脂肪が食道や胃壁の粘膜を保護して、がん細胞ができるのを防止するためです。また栄養のバランスがいいので、体の新陳代謝を活発にします。代謝がスムーズに行われていれば、がんにもかかりません。さらにがん細胞の増殖を防ぐ免疫効果も私たちが行った実験から確認されています。

人間の体の中では、毎日のようにがん細胞ができています。しかし、体の中にはそれを退治する免疫監視機構があり、がん細胞がふえるのを抑えます。その免疫機能がスムーズに働いていれば、たとえがん細胞が体の中にできてもがんは発病しません。
体の中にがん細胞ができると、まず免疫機能をもつNK細胞(リンパ球と呼ばれる白血球の一種) が、がん細胞を攻撃して壊してしまいます。もし、がん細胞がNK細胞の防御機構を通過しても、今度はNK細胞よりも免疫力の強いT細胞(リンパ球の一種で、がん細胞ができてから1~2 週間後に働き出す) や、LAK細胞(リンパ球の一種で、→細胞から情報をもらって機能が活性化される) が、活動を開始してがん細胞を壊してしまいます。

ところががんの増殖が早すぎたり、発がん物質を多量に体の中に入れたりすると、がん細胞はこれらの防御機構をすり抜けて、全身にはびこってしまいます。また老化やいろいろな病気、ストレス、エイズなどのウイルスなどで免疫機能が衰えると、がん細胞は増殖しやすくなります。この免疫機能が牛乳を与えることで、どのように変化するか、

発がん物質を飲ませたネズミで実験があります。すると、発がん物質だけを飲ませたネズミの免疫機能は弱ってきたのですが、市販の成分無調整牛乳を飲ませたネズミは、健康なネズミと同じぐらいの抵抗力を保持したのです。
がん細胞を壊すLAK細胞に関しては、健康なネズミよりも高い数値が確認されました。
つまり、それだけがんに強い体になっているということです。また、ネズミの皮膚にがんを移植すると皮膚の細胞ががん化してその部分が大きくなりますが、同じようにがん細胞を皮膚に移植したネズミに毎日牛乳を飲ませたところ、細胞が大きくならず、がんの増殖が抑えられていました。
この実験では市販の成分無調整牛乳、しぼりたての生乳、低脂肪牛乳などを使って違いをみたのですが、低脂肪牛乳の効果は少し落ちてはいましたが、それほど大きな差はありませんでした。
これらの実験結果からも、牛乳が体の免疫機能を高め、発がん物質による免疫監視機構の破壊を防いで、がんを予防することがわかりました。
では、どのぐらいの牛乳を飲むといいのでしょうか。実験でネズミに与えた量は1日0.2ml。これを体重60kgの人間に換算すると約600mlつまりコップ3杯分です。牛乳に含まれるタンパク質は熟に弱いので、そのまま飲むほうが栄養的効果は高まります。また胃などの粘膜を保護する点を考えると、食前に飲むほうがより効果的です。

ワカメが乳がんの増殖を抑制

昆布海苔と海草類のガン予防効果、抑制効果を紹介してきましたが、今回も海藻で、「わかめ」です。

ここ最近、女性に急増している病気に乳がんがあります。現在、米国では、女性の8人に1人という高い割合で起きており、日本でも、年々、右肩上がりに増加しています。
具体的には、国立がん研究センターがん対策情報センターの発表データによると、2005年の段階で新規の乳がん患者数は約5万人と見積もられていました。
一方、本調査に対して、回答があった520の医療機関における、乳房切除術数と乳房温存術数を合計してみると、2009年1年間で約4万5600人、2010年1~6 月は同2万3400人という結果になっています。
1996年には、女性のがんで最も多い病気となったほどです

。食事の欧米化につれて、日本では、今後も乳がんがふえると思われます。そのため、予防法が必要となっています。

昔から「甲状腺の病気があると、乳がんにかかりやすい」などといわれ、乳がんと甲状腺の病気には何らかの関係があると考えられてきた経緯があります。
甲状腺の病気は、海草に多く含まれるヨードという成分に深いかかわりがあります。ヨードとは、甲状腺の出すホルモンをつくるために必要な材料となる成分のこと。そしてこのヨードが不足する地域には、甲状腺の病気が多く起こることがわかっています。そこで、最初は、ヨードと乳がんにかかわりがあるのかどうかを調べる実験を行っています。
ネズミに発がん剤を与え、人工的に乳がんを起こします。そのネズミを普通のエサとヨード液をまぜたエサのグループに分けて、がんがどのくらい大きくなるか(増殖率という)を観察したのです。結果は、ヨードを多く含んだエサを食べたネズミほど乳がんの増殖率は少ないものでした。
つまり、ヨードが乳がんの増殖を抑えるとわかったのです。当初、ヨードが甲状腺に働きかけて、甲状腺から出るホルモン量がふえたための効果かと考えていました。しかし、実際は、ヨードは、がん組織に直接入り込み、がんの増殖を抑えるという効果があることが確認されました。
次に行ったのは、ヨードを含む食品でも同じような効果があるのかという実験でした。そこで、実験にワカメを使うことにしました。ワカメを選んだのは、海草類のなかで最も日常的に食べられている食品だからです。

実験方法は、最初に行ったものと同じものです。ネズミに乳がんを起こし、3グループに分けてエサを変えてがんの増殖率をみました。エサの内容は、

  1. 普通のエサだけのもの
  2. 1%の粉末ワカメをまぜたエサ
  3. 5%の粉末ワカメをまぜたエサ

の3種類です。
結果は、1のグループのがんが大きくなったのに対し、3 のグループのがんは、ほとんど増殖しませんでした。また、驚くべきことに、2のグループのがんもほとんど変わらないままだったのです。つまり、エサの1%の量のワカメでも、十分な効果があったのです。これは、ヨードに一度できたがん細胞を自殺( これをアポトーシスという)に追い込む働きがあるからです。

しかも、ワカメを多くとればとるほど、血液中のヨードの量は多くなります。つまり、ワカメのヨードは、血液に吸収されると乳がんの組織までたどりつき、がん細胞を自殺させる効果があるのです。また、ワカメのヨードには、乳がん予防の効果もあることが、ネズミの実験で確かめられています。がんの増殖を抑えるために、とりたいワカメの目安量は、1日に乾燥品30g程度です。しかし、これはもどすと大量になるので、食べるのはちょっと現実的ではありません。。そこでおすすめなのは、ワカメをひと晩、水につけたその水を飲むことです。これなら、ヨードをはじめとする有効成分が水にとけ出ているからです。しかも、無味無臭なので、飲みづらいものではありません。予防でとるなら、もっと少ない量でもよく、1日に乾燥品のワカメ5g程度でも効果があります。

ワカメのヨードは加熱に強いので、スープのように熱を加えても成分は変化しません。わかめというと、ヨード過剰症を心配する人もいるでしょうが、このくらいの量なら心配ありません。ただし、甲状腺に異常があるバセドー病の人は、避けるようにします。

せっかく良質のわかめスープを食べるのであれば、やっぱり国産で無添加のものがいいでしょう。
こちらは、赤穂の塩、有機栽培原料の薄口醤油と砂糖、ホタテと塩のみを原料としたホタテエキスなど、選りすぐった天然調味料を使用し、化学調味料無添加の優しい味に仕上げています。
また、最新技術のフリーズドライ製法で食品が持つ味や栄養分を壊さず保存しているのもオススメポイントです。

海苔のガン抑制効果

約25年にわたって海草とがん予防の研究をつづけてきた専門家の研究内容です。コンプ、わかめ、ひじき、それぞれに効果があることが確認されています。ここでは、なかでも効果の高い数値を示した海苔をについてです。

まずは、腸がんを引き起こす「DMH」という発が発がん物質をラットに投与して、実験を行ったものです。ラットは、次の3グループに分けています。

  • A= 普通のエサを食べたグループ
  • B=利尻昆布2%をまぜたエサを食べたグループ
  • C=アマノリ2%をまぜたエサを食べたグループ

それぞれのエサを12週間食べさせ、同時にその間発がん物質「DMH」を12回注射。12週以降はすべての群に普通のエサを与え、「DMH」の注射もやめました。20週目に解剖し、がん発生率を比較しました。

結果は、Aでは10匹中8匹が発がんしていました。発がん率80%です。これに対して、利尻昆布をまぜたBでは発がん率40% 、さらにアマノリをまぜたCでは20% にとどまっており、明らかにがん予防の効果が認められたのです。

別の実験では、乳がんを引き起こす「DMBA」という発がん物質をラットに投与しました。普通のエサを与えたグループ以下、細目昆布、利尻昆布、三石昆布、アマノリをそれぞれ2% をまぜたエサの、計5グループに分けました。それぞれを22過食べさせ、4週目に発がん物質を投与、2週以降はすべての群に普通のエサを与え、31週目に解剖しました。
その結果、発がん率は利尻昆布が50% 、三石昆布は65% でしたが、なかでも低い発がん率を示したのが細目昆布(35%)、そしてアマノリ(35%) でした。

このような作用は何によってもたらされたのでしょうか。最初に着目したのが「カロチン」です。日本の食品中で最も多くカロチンを含むのは、抹茶ですが、第2位がじつは海苔なのです。
度はカロチンに焦点を当てて、腸がんの発がん率をくらべました。普通のエサに2% の海苔をまぜて効果がありました。よって、その中に含まれるβカロチンのみで検討を行いました。2%の海苔中に含まれるβカロチンは0.00024% です。ノリから抽出した0.00024%のβカロチン、そして0.00024%の合成βカロチンを摂取した場合を調べたところ、ともに低い発がん率を示しました。

海苔にはほかにも、抗酸化作用のあるビタミンC・E 、さらに食物繊維などを含みます。これらが総合的に働いたことも、発がん率を下げた要因となったと覆われます。

さて、これを人間の食事におきかえた場合、どのくらい食べればよいでしょうか。ラットの実験では、エサに2% の海苔をまぜたときに効果が認められました。個人差はぁりますが、人間には1 日に約20000kcal のエネルギーが必要です。

市販の焼き海苔(約20×20cm) は、1枚3gですから、約2枚半の海苔を食べればいいことになります。

昆布に含まれるフコイダンは、がん細胞を 自殺させる作用がある

コンプなどの海藻には、特有のヌメリ成分があります。あのヌルヌルのなかに、なんとがん細胞を自殺に追いやる成分が含まれていることが確認されています
コンプのヌルヌルに含まれる「フコイダン」という多糖頬によるものです。

研究を進めるなかで、コンプにFとUの2種顆のフコイダン分子が存在することがわかりました。そして、この2 つのうち、がん紳胞を自殺に追いやるのが「U-フコイダン」だということがわかりました。

U-フコイダンは、何も特別な方法でなくとも、ふだん口にするコンプからも摂取できます。ただ、U-フコイダンは、だしをとる程度、すなわち、沸騰直前に取り出していてはまったく出てきません。コンプをそのまま食べてこそ効果を期待することができるのです。
それを裏づける証拠として、コンプの消費量とがんによる死亡率の統計があります。コンプの消費量のトップは富山市、次が那覇市ですが、がんの死亡率は沖縄県が最も少なく、富山県はむしろ悪いほうに近いのです。これは、富山県ではコンプをだしとして使うのに対して、沖縄ではそれを昆布ごと食べるせいだと思われます。鍋料理のいちばん最後に残った汁とコンプを食べる、これが最高です。「残り物には福がある」とは、まさにこのことでしょうか。

ガンを消滅へと導くフコイダン

イワシのDHAはDHAにはがんの芽を摘む効果あり

春からが旬の脂が乗ったイワシは、焼いても煮てもおいしいものです。また、値段も安く庶民的です。あの脂にDHAが合まれるのがドコサヘキサエン酸で、頭がよくなる成分として注目を集め話題になったこともありました。
最近の研究では、大腸、結腸、肺、肝臓、前立腺、乳腺などの消化器系と生殖器のがん予防と、転移を防ぐこともわかってきました。
意外にも胃がんにはあまり効かないようです。DHAが胃にとどまる時間が短いことが、理由のようです。
DHA含有量が多いのは、海産魚のなかでも特に青背の魚といわれるイワシ、アジ、サバ、マグロなどです。白身の魚にはあまり含まれていません。
また、目の後ろの脂肪に多く含まれているため、まるごと1尾食べられるイワシは最適な食材といえます。DHAががんを抑制するメカニズムはかなり確認されています。
ひとつは、植物性脂肪のリノール酸です。ひところ「体にいい」と盛んにもてはやされましたが、じつは、これががん発生に関与しているのです。リノール酸は体内に入ると、γリノレン酸→アラキドン酸へと変化し、最終的には、プロスタグランディンE2という発がんプロモーターになってしまいます。

アラキドン酸酸が変化する際にはいくつかの酵素が作用しますが、DHAAはこれらの酵素を抑制し、プロスタグランディンE2をつくらないように働くのです。リノール酸そのものは体に必要な物質ですが、大豆や米など植物性食品のほとんどに含まれるため、どうしても過剰摂取になりがちです。また、肉類にはアラキドン酸が含まれているので、肉を頻繁に食べる人はがんになる危険性が高いといわぎるをえません。
ですから、リノール酸の摂取量を極力控え、肉のかわりに魚を食べる回数をふやせば、発がんプロモーターのプロスタグランディンE2ができにくくなって、がんが予防できるというわけです。

イワシは、生食が最適で、正常な細胞は50回くらい分裂するとそれ以上分裂せず、細胞がみずから死にます。これを専門的には「アポトーシス」といいます。それに対してがん細胞は狂っており、アポトーシスを忘れて無限に分裂するのですが、DHAには、がん細胞にこのアポトーシスを思い出させる作用があるようだ…ということが、大学の研究でわかってきました。

発がん・プロモーターをつくりにくくしたり、異常細胞の増殖を止めることができれば、がんの発症時期はそれだけ遅れます。魚や野菜を食べる、調理法を工夫して揚げ物でなく煮物にするなど、食生活を改善することで、発症時期を5年、10年と先にずらすことが十分に可能です。
数々の疫学調査や実験から推測すると、1日1~2gのDHAを摂取するとがん予防に効果があると考えられます。イワシなら1日2尾。参考までに、アジなら1尾、マグロの中トロ4~5切れに相当します。
1週間で計21回の食事のうち、5回は魚を食べるようにするといいでしょう。次に調理方法の注意です。DHAを損失せず10%とれるのは生の刺し身。煮たり焼いたりすると80%に落ちますが、煮汁に出た分は飲めばいいでしょう。ただし、味つけは薄くすること。また、焼きすぎると脂が抜けてDHAが失われるうえ、焼けコゲが発がん物質になるので気をつけてください。フライは50 ~60 %DHAを損失し、逆に揚げ油のリノール酸を魚が吸収するので、あまりおすすめではありません。
日本人にはかつて、大腸がんや肺がんはあまり見られませんでした。しかし、今日、食生活の欧米化が進んだことで、これらはふえてきました。がん予防を考えるなら、魚や野菜。こうしたものを主とした、伝統的な和食を毎日食べるべきでしょう。