告知の受け止め方

告知が必要であることはこちらで説明したとおりですが、実際に告知はどうやって受け止めたらいいでしょうか?

いまでは、とくに早期胃がんや早期大腸がんの生存率は9割を超えています。「これらのがんで死ぬのは、みっともない」と声を大きくしていえるほどです。

もはや、がんを絶望視するような時代ではなくなってきました。一方、進行がんに関しては、まだ楽観視できるほどではありません。
しかし考え方によっては、がんで死ぬというのも悪くないと思っています。人間は生きている限り、いつか死を迎えることになるのですが、たとえばある日突然、交通事故や脳卒中などで死んでしまうよりは、むしろがんにかかった方がいいかもしれないとさえ思うことがあります。亡くなるまでの半年から1年間の人生を、自分の力で120%充実させることができるからです。

残りの人生は、どうぞ1ヶ月を1年だと思って12倍充実させる考え方もあります。3ヶ月生きていけるなら、3年間生き延びたといえる日々を過ごしてほしい。

残された時間をどのように過ごすかは、ひとりひとりの患者さんの人生観です。どのような治療を受けるかも、本人の選択にまかすべきでしょう。今は、患者さんが納得できる治療をします。たとえ、それが悪性のスキルスがんであっても、ネバーギブアップ最後まで可能性のある限り「Never Give Upの精神でがんと闘う」にたどりつくはずです。