胃がんの検査

がんなのかどうかを判断する

「健康診断(健診)と検診は、どう違うのでしょうか?健康診断は体全体に異常が出ていないか、くまなくチェックすること。一方、検診では病気にかかっているかどうかを調べます。

つまり、「胃がん検診」は、胃がんができているかどうかを発見するための検査です。市町村や会社、人間ドックなどの胃がん検診では、まず病気の有無を確認するためにふるい分け(スクリーニング)をします。

自覚症状がある、という理由で検査する場合とは異なり、症状のない人も受診するので、簡便な方法が選ばれています。
たとえば、胃がんでは「上部消化管X線造影検査」をします。バリウムを飲んで、食道から胃、十二指腸までをX線で撮影するもので、早期がんは70%、進行がんはほぼ100%発見できます。

大腸がん検診のスクリーニングでは、便潜血反応という便の表面をこすり取る方法で検査をしますが、早期がんは10%しか見つかりません(進行がんの発見率は90%)。
これは、がんがある程度まで進行しないうちは病巣からの出血が少ないため、検査の数値として表れないからです。このように、ほかの臓器のがんと比べて、早期胃がんの発見率が高いのは、日本では胃がんの患者が一番多いため、世界レベルをはるかに超えた高い検診技術を確立しているからです。

ただし、微小ながんや、胃の前壁に小さな病変ができた場合や胃の入り口部分(噴門部) は、X線撮影で映りにくいため、見逃されやすいことがあります。したがってX線検査だけで終始せずに、胃内視鏡検査をすることの重要性が高まっています。

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