ガン細胞が消えるほどの効果をもつ「マイタケ」

秋田の名物、「きりたんぽ」でも欠かせない食材の「マイタケ」。秋~冬にかけて鍋料理では、定番中の定番の「マイタケ」です。
最近は、人工栽培が可能になり、季節を問わずに店頭に並ぶようになり購入できるようになりました。マイタケは、ヒダナシタケ目サルノコシカケ科に属しますが、同じヒダナシタケ目のカワラタケから抽出されたβD-グルカンと呼ばれる多糖体(ブドウ糖がたくさん連なった高分子物質)は、がんの免疫療法剤として臨床に広く応用されています。

かなり前から煎じて飲むとがんに効くといい伝えられてきた霊芝(マンネンタケ〉なども、がん予防の主となる成分は水溶性のβD-グルカンであることがわかっています。
水溶性のβD-グルカンは、マイタケにもあります。
ただ、マイタケの場合にはβD-グルカンがタンパク質と結合し、水にとけない「水不溶性多糖体」という形で10~30 % も含まれているのが特徴です。

水不溶性多糖体を用いた実験を、水溶性多糖体と比較。水溶性多糖体を2種、水不溶性多糖体を5種類抽出し、マウスに与えて抗がん作用を調べた実験がありました。
実験では、サルコーマ180というがん細胞をマウスに移植しました。普通ならがんが増殖して5~6 週間で死んでしまいます。ところが、がんを移植した直後からマイタケの水不溶性多糖体を、1回に体重1kgあたり10mgまたは100mg、1回だけ腹部に注射したマウスは、いずれもがんの増殖が抑制されたのです。
完全退縮率というのはがんが根づかずに治ったマウスの割合で、最大5匹中3匹に完全退縮が認められました。
さらに、水不溶性多糖体の投与量を10倍にふやすと、5匹すべてが完全退縮に至ることも確かめられています。また、注射ではなくエサにまぜて食べさせた場合にも、マイタケの水不溶性多糖体は同様の抗がん作用を示すことが明らかにされているのです。

この水溶性多糖休も水不溶性多糖休も、それ自身には、がん細胞を消滅させる作用はないのです。実際、がん細胞を培養した試験管に加えても抗がん作用を示しません。なぜ、実験で抗がん作用が示されたかというと、生体にもともと備わっている免疫機能を活性化することで、がん細胞の増殖を抑え、排除し治癒すると考えられています。
この免疫機能が活性化される場所、それは小腸のパイエル板というところと推測されています。
小腸は、その長さが6~7mもある器官で、粘膜上に無数のヒダを持ち、ヒダの表面には栄養吸収のための繊毛がビロード状に密生しています。
しかし、繊毛の生えていない楕円形の何もないところも、あちこちにあるのです。このあき地に発達しているのが、パイエル板という免疫器官になります。

パイエル板は、免疫をつかさどるリンパ球やマクロファージなどの免疫細胞(白血球の仲間) のたまり場で、侵入した異物を見つけると、これらの免疫細胞が食べて分解します。マイタケの水不溶性多糖体は、バイエル板に待機している免疫細胞を刺激します。刺激された免疫細胞が、体内でがん細胞を異物として攻撃するものと考えられます。
いうならば、マイタケの常食は、免疫細胞のトレーニングになるのです。免疫機能が高まれば、特定の臓器に限らず、あらゆるがんになりにくい体がつくられます。
実験でマウスに与えた量から試算すると、1日に食べるマイタケはほんの10gで十分です。「ちりも積もれば山となる」。少量でも毎日食べつづければ、免疫機能を高めてがんを防ぐ効果が期待できるのです。

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