乳がんを抑制するみそ

味噌は、その昔、調味料というよりはおかずとしての色合いが強かったと古書に記録があります。味噌の栄養的価値は、1000年以上もの昔から知られているということが確認されています。
国立がんセンターの行った調査でも、みそ汁を毎日飲む人は、ほとんど飲まない人にくらべて胃がんで死ぬ人が少ないというデータも出ています。
このような疫学的調査によって、みそががんの発生を減少させることはすでに明らかになっていました。
そしてそれを裏づけるような実験結果が、近年、多数発表されています。

みそに含まれる成分は、どれをとっても体にいいものばかりで非常に優秀です。免疫力を高めるタンパク質、コレステロールを抑えて血液の流れや代謝をよくする不飽和脂肪酸、解毒作用を持つ食物繊維、そしてビタミンやミネラル。これらの栄養素すべてが、がん予防に役立っています。しかし、その主役は何なのか。研究を重ねた結果、その成分は「フラボノイド」という成分であることが明らかになってきました。

肝臓がんの遺伝子を持つマウスを用いた実験では、普通のエサ、みそを加えたエサ、フ
ラボノイドを加えたエサの3種類で発がん率を比較しました。
その結果、普通のエサを与えたマウスにくらべ、みそやフラボノイドを加えた場合では、発がん率が大幅に抑えられました。

別の乳がんの実験で、がんの発生個数を見てみると、普通のエサでは平均4個の
がん腫瘍ができたのに対し、みそを加えたエサでは2個、フラボノイドを加えたエサでは
3個のがん腫瘍ができるという結果が得られました。

これらの実験結果から、確かにがん予防の主役はフラボノイドであることがわかります
が、もちろんそれだけではありません。たとえば、みそに含まれる酵母、乳酸菌などは、体内で合成される発がん物質の除去に役立っているとの報告もあります。

つまり、フラボノイドを中心に、いくつかの成分が相乗されることで、よりいっそう、みそのがん予防効果を高めているようです。では、1日どのぐらいのみそを食べるといいのかといいますと、実験結果からフラボノイドは50~100ppmで効果を示すことがわかっています。それを含むみその量は約5~10gで、みそ汁にすると約2杯分にあたります。

1日3食のうちの2食に、みそ汁を飲んでほしいものです。みそには豆みそ、麦みそ、米みそなどがありますが、特に効果が高いのは、フラボノイドが多い豆みそです。
豆みそについては、戦国時代に、織田信長や豊臣秀吉、徳川家康らが、焼きおにぎりにこれを塗って食べて活力をつけたという逸話があるほどです。

コメント

  1. […] ここ最近は、50代未満でガンになる人が増えてきているそうで日頃から味噌を摂るようにしたり運動を欠かせないようにする生活習慣が重要と思われる。 […]

  2. […] 乳がんを抑制するみそ […]