胃がんで転移・再発した場合には、多発性転移が起こることが多く、切除することができなぐなります。このため、転移・再発を予防するという目的で抗がん剤を投与します。
ファーストラインには、フルオロウラシル(商品名5・FU)という、がん細胞のDNAの合成を抑制する働きの薬を選びます。
がんの再発が肝臓か肺か腹膜か予測ができないため、血液に乗って全身に回るように、経口か点滴で1日2、3回投与します。ほとんどの場合には1年間投与を続けて様子をみますが、
なかには3年間におよぶ場合もあります。この5・FUの効果が出ない場合、また明らかにがんが再発した場合には、薬の量を増やしたり別の薬に変更したりします。
セカンドラインとして、5・FUと他の薬を一緒に投与して、2種類の薬の効果を高める方法(「バイオケミカル・モジュレーション」)を取ることもあります。
たとえば5・FU+塩酸イリノテカン(商品名カンプト)、5・FU+メソトレキサート(商品名メソトレキセート)、5・FUフルオロウラシル(商品名ロイコボリン)、5・FU+CDDP(商品名シスプラチン)などの併用療法です。
しかし、これらの方法をとった場合には、副作用や合併症が重くなります。胃がんに抗がん剤の効果があるかどうかは、症例によって使用してみなければわかりません。しかし現在では、いろいろなことがDNAレベルで明らかになってきているため、将来的にはどんなタイプの遺伝子であれば抗がん剤が効くか、効かないのかが、あらかじめわかるようにもなってくるでしょう。
コメント