抗がん剤による胃がんの治療 期待の新薬「TS-1」について

2001年から病院で使われ始めた、新しい抗がん剤です。これまで頻繁に使っていた「5・FU」バージョンアップさせたもので、がん細胞のDNAの合成を抑制する働きがあります。

特徴は、腫瘍を小さくする働きを強めて、5・FUの副作用として悩まされていた下痢や口内炎を減らしています。が、やはり副作用があり、食欲不振、白血球減少、肝機能障害をもたらすことがわかっています。ふつう、抗がん剤の効果は奏効率(腫瘍の大きさが半分以下になった状態が4週間以上統くこと) 2、3割と言われていますが、

この薬の場合、第Ⅱ相の臨床試験の段階で、「全国で手術ができない再発・転移した胃がん患者さん1001人に投与したところ、腫瘍が半分以下になったという症例が、45人もいた。という発表が出ました。

実際、この抗がん剤を使用したおかげで胃がんの肝転移が消失するなどを経験し、その効果は確かにあるといえます。さらに、「TS-1」の特徴はスキルス胃がんにも効果があることです。

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