内視鏡での治療ができない場所にがんができた場合の「 腹腔鏡下手術 」について。
内視鏡的切除ができない場合は原則的に開腹手術をします。たとえば、
- 内視鏡的切除がやりにくい部位(胃噴門部や胃の中央(胃体部)の後壁など) にがんができた場合。
- 大きさが2cm以上あるため、内視鏡的切除では1度で取り切れない。
- 形が陥没タイプであるため、正常な組織とがん病巣の境目が不鮮明。
- 組織型が未分化か低分化である。
というような場合です。これは、おなかに小さな穴を3、4ヶ所開けて腹腔鏡と紺子やはさみなど、特別に作られた器具を入れ、テレビモニターで腹部の内腔を映し出しながら手術をする方法です。
全身麻酔をしますが、開腹手術にくらべて手術創が小さく、術後も早く回復します。
開腹手術では、一般的に手術後2、3日間は麻薬を使った痛み止めが必要になります。手術後1週間は流動食、2週間目からふつうの食事ができるようになり、3週間目に退院するというスケジュールですが、ときには手術創が膿んで退院が延びることもあります。
ところが、腹腔鏡下手術では、術後1、2日で痛み止めが必要なくなり、2、3日目になると食事もできるようになります。そして、1週間くらい経つと退院もできます。
ただし、手術中、腹部に空気を入れて横隔膜を持ち上げるため、心臓や肺を圧迫します。心臓や肺に疾患を持っている人は、開腹手術のほうが適しているといえるでしょう。
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