粘膜下層ガンでは開腹手術が原則
胃がんでは、がんが胃壁の粘膜下層まで入り込んでいた場合、10パーセントの確率でリンパ節への転移が見られます。とくに、がん細胞の手術前診断で、組織型が未分化がん、低分化がん、印鑑細胞がんのタイプは、転移の可能性が高くなります。
このため、がんを切除するときには、周囲のリンパ節を含めた切除を行います。これを「リンパ節の郭清」と呼びます。
リンパ節というのは、リンパ管の途中にある小さな器官です。体には血管と同じように、リンパ管がはりめぐらされています。リンパ管にはリンパ液が流れていて、組ろうはいぶつ織中の老廃物や異物、細菌を運んでいます。このリンパ管のところどころに小豆大のリンパ節があります。
リンパ節にはリンパ球が非常に多く存在し、リンパ液が運んできた細菌や異物、がん細胞などと戦い、処理する働きがあります。リンパ節に1個でもがん細胞が見られた場合は「リンパ節転移」と呼ばれます。このように、粘膜下層がんではリンパ節を郭清するため、内視鏡的治療をおこなうことはなく、腹腔鏡下切除術、または開腹手術をします。
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